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日別アーカイブ: 2025年10月20日

ドラッグキューキュー通信~3~

皆さんこんにちは

ドラッグキューキューの更新担当の中西です

 

 

さて今回は

~秋冬の“季節の薬”~

 

気温差と乾燥は、気道の粘膜バリアを弱め、かぜ・インフルエンザ・新型コロナ・アレルギー性鼻炎の発症リスクを押し上げます。薬局の強みは「症状の組み合わせ」に合わせ、対症療法薬を適切に組み立てること。本稿では、成分と作用から、総合感冒薬・解熱鎮痛薬・鎮咳去痰薬・鼻炎治療薬・うがい薬・トローチ・漢方までの選び方、セルフメディケーションの限界や受診目安、相互作用の注意点を体系的に整理します。

1. かぜの基本戦略:休息・水分・保温が主治医

  • 休息:睡眠不足はサイトカインバランスを崩し、治癒遅延の主要因。

  • 水分:発熱・発汗・鼻汁で失われる水分と電解質を補う。温かい飲料は気道線毛運動の助けに。

  • 保温・加湿:上気道の粘液粘度を下げ、咳・痰の排出を助ける。

2. 総合感冒薬:成分で読む

  • 解熱鎮痛:アセトアミノフェン(胃に優しい)、NSAIDs(イブプロフェン等。胃腸負担や腎機能に配慮)。

  • 抗ヒスタミン:くしゃみ・鼻水・涙目を抑える。第一世代は眠気あり、運転不可。

  • 鎮咳:中枢性(デキストロメトルファン)や末梢性(クロペラスチン等)。

  • 去痰:カルボシステイン、ブロムヘキシン、アンブロキソールなど。

  • カフェイン:鎮痛補助や眠気対策だが、就寝前は避ける。
    →「全部入り」は便利だが、不要成分まで摂りがち。症状に合わせ単剤・少成分を優先。

3. 解熱鎮痛薬の選び方

  • アセトアミノフェン:小児・妊娠授乳でも使いやすいが、用量を厳守。

  • NSAIDs:発熱・咽頭痛に有効。胃粘膜障害や腎機能、喘息既往に注意。

  • 高熱が続く、強い倦怠感や呼吸苦、脱水の兆候がある場合は速やかに受診。

4. 咳・痰・のど

  • 乾いた咳:鎮咳薬を短期で。就寝前に効果が出るタイミングで服用。

  • 痰がらみ:去痰薬と加湿が主役。水分摂取を併用。

  • のど痛・声枯れ:うがい薬(刺激弱いものから)、トローチ(殺菌・局所麻酔)、のどスプレー。慢性化や嚥下痛、血痰は受診。

5. 鼻炎(季節性・通年性)

  • くしゃみ・鼻水型:第二世代抗ヒスタミン。眠気少なめを昼用に、就寝前に第一世代を併用する戦略もある(自己判断の多剤併用は避け、薬剤師に相談)。

  • 鼻づまり:点鼻血管収縮薬は短期に限定(反跳性鼻炎回避)。ステロイド点鼻は炎症を鎮め有効だが、作用発現に数日。

  • 鼻うがい:微温食塩水で粘膜を洗う。強い圧や不潔な器具は逆効果。

6. インフルエンザ・新型コロナを疑うとき

  • 突然の高熱、関節痛、倦怠感、味覚嗅覚異常などの組合せは、検査の適応。OTCの抗原検査キットは取扱・判定時間を守る。陰性でも臨床症状が強ければ医療機関へ。

  • 抗ウイルス薬は医療の領域。OTCはあくまで対症療法。基礎疾患・高齢・妊娠は早期受診を優先。

7. 漢方の活用

  • 葛根湯:悪寒・頭痛・発熱の初期、体力中等以上。汗が出ていない時期に。

  • 麻黄湯:悪寒強く、関節痛・咽頭痛が目立つとき。高血圧・心疾患・前立腺肥大は要注意。

  • 小青竜湯:水様性鼻水・くしゃみ、花粉・寒冷刺激の鼻炎に。

  • 麦門冬湯:乾いた咳に。
    → 体質・持病・相互作用(特にエフェドリン類似作用)に配慮。

8. 相互作用・禁忌の典型

  • 抗凝固薬内服中の鎮痛薬選択、糖尿病患者の風邪薬に含まれる糖分、前立腺肥大・緑内障と抗コリン作用、睡眠薬と第一世代抗ヒスタミンの併用、咳止めとアルコールの併用など。ラベル確認と薬剤師相談が不可欠。

9. 受診目安

  • 39℃以上が持続、呼吸苦、意識障害、激しい嘔吐下痢、皮疹の急拡大、小児の機嫌極端悪化、乳幼児の水分が取れない、慢性疾患の急な増悪など。

まとめ

秋冬の“季節の薬”は、症状ごとに成分を選ぶのが原則。総合感冒薬に頼りすぎず、単剤や必要成分の組み合わせで過不足なく対処を。検査・受診のタイミング、相互作用のチェック、生活の基礎(休息・水分・加湿)を揃えることで回復は早まります。