皆さんこんにちは
ドラッグキューキューの更新担当の中西です
さて今回は
~秋冬の“季節の薬”~
気温差と乾燥は、気道の粘膜バリアを弱め、かぜ・インフルエンザ・新型コロナ・アレルギー性鼻炎の発症リスクを押し上げます。薬局の強みは「症状の組み合わせ」に合わせ、対症療法薬を適切に組み立てること。本稿では、成分と作用から、総合感冒薬・解熱鎮痛薬・鎮咳去痰薬・鼻炎治療薬・うがい薬・トローチ・漢方までの選び方、セルフメディケーションの限界や受診目安、相互作用の注意点を体系的に整理します。
1. かぜの基本戦略:休息・水分・保温が主治医
-
休息:睡眠不足はサイトカインバランスを崩し、治癒遅延の主要因。
-
水分:発熱・発汗・鼻汁で失われる水分と電解質を補う。温かい飲料は気道線毛運動の助けに。
-
保温・加湿:上気道の粘液粘度を下げ、咳・痰の排出を助ける。
2. 総合感冒薬:成分で読む
-
解熱鎮痛:アセトアミノフェン(胃に優しい)、NSAIDs(イブプロフェン等。胃腸負担や腎機能に配慮)。
-
抗ヒスタミン:くしゃみ・鼻水・涙目を抑える。第一世代は眠気あり、運転不可。
-
鎮咳:中枢性(デキストロメトルファン)や末梢性(クロペラスチン等)。
-
去痰:カルボシステイン、ブロムヘキシン、アンブロキソールなど。
-
カフェイン:鎮痛補助や眠気対策だが、就寝前は避ける。
→「全部入り」は便利だが、不要成分まで摂りがち。症状に合わせ単剤・少成分を優先。
3. 解熱鎮痛薬の選び方
-
アセトアミノフェン:小児・妊娠授乳でも使いやすいが、用量を厳守。
-
NSAIDs:発熱・咽頭痛に有効。胃粘膜障害や腎機能、喘息既往に注意。
-
高熱が続く、強い倦怠感や呼吸苦、脱水の兆候がある場合は速やかに受診。
4. 咳・痰・のど
5. 鼻炎(季節性・通年性)
-
くしゃみ・鼻水型:第二世代抗ヒスタミン。眠気少なめを昼用に、就寝前に第一世代を併用する戦略もある(自己判断の多剤併用は避け、薬剤師に相談)。
-
鼻づまり:点鼻血管収縮薬は短期に限定(反跳性鼻炎回避)。ステロイド点鼻は炎症を鎮め有効だが、作用発現に数日。
-
鼻うがい:微温食塩水で粘膜を洗う。強い圧や不潔な器具は逆効果。
6. インフルエンザ・新型コロナを疑うとき
7. 漢方の活用
-
葛根湯:悪寒・頭痛・発熱の初期、体力中等以上。汗が出ていない時期に。
-
麻黄湯:悪寒強く、関節痛・咽頭痛が目立つとき。高血圧・心疾患・前立腺肥大は要注意。
-
小青竜湯:水様性鼻水・くしゃみ、花粉・寒冷刺激の鼻炎に。
-
麦門冬湯:乾いた咳に。
→ 体質・持病・相互作用(特にエフェドリン類似作用)に配慮。
8. 相互作用・禁忌の典型
9. 受診目安
まとめ
秋冬の“季節の薬”は、症状ごとに成分を選ぶのが原則。総合感冒薬に頼りすぎず、単剤や必要成分の組み合わせで過不足なく対処を。検査・受診のタイミング、相互作用のチェック、生活の基礎(休息・水分・加湿)を揃えることで回復は早まります。